令和7年 師走

 今年もはや12月、残すところ1ヶ月。皆さんにとってどのような一年でしたか?私自身72歳という年齢のせいかいつの間にか月日が経ち、これといって特に印象に残るような事もなくあっという間の一年でした。これも不事でよかったのかなと感謝すべきなのでしょう。
 納骨堂にお祀りしている奥様のところへ、月初めに必ずお参りに来られる方がいらっしゃいます。いつも5分程度、奥様に何か語りかけておられます。そしてその後いつものようにお茶をお出しすると30分程度近況をお話しされ帰って行かれます。
 その内容は病院の事(医師や薬)、自身の体調がすぐれない事、昔の事、故郷(九州)の事です。今日は亡き父への後悔の思いを話されていました。帰りぎわに「来年はもう来れないかも」とおっしゃるので「昨年も同じ事を言っていましたよ」と返えすと笑って帰って行かれました。来年も再来年も…月初めには元気にお参りくださいね。奥様が楽しみに待っておられますよ。
 限りあるいのち、たった一度の人生、一日一日を大切に…

12月

  
  
  
  
  
  
  
  

令和7年 霜月

 先日、葬儀の依頼を頂き式場へ伺いました。初めてのご縁でしたのでご家族に故人の事について色々とお話を聞きました。故人は左官の職人さんで正善寺の壁も数十年前に作業して頂いたとのこと。そんな話ですっかり親近感がわき、話は次第に故人の奥さんご本人のことに及びました。大変朗らかでお元気そうなのでお年をうかがうと「83才です」と。そして何と「マクドナルドで働いています」とおっしゃるのです。毎朝6時から9時までハンバーガーを作りポテトを揚げているそうです。自宅と職場が10Km程あるので朝5時半に出発、自動車の運転は必須です。運転免許証更新の際は、認知テストの対策も問題集で勉強しバッチリだそうです。
 もう、ただただびっくり、感動と元気をいただきました。安全運転であと5年10年この調子で、マクドナルドで社会の為、ご自身そしてご家族の為に頑張ってください。93才で往生されだご主人も安心していつも見守ってくれていますよ。

11月

  
  
  
  
  
  
  
  

令和7年 神無月

 今日は「仏教の教えが、私たちの日常にどのように生きるか」ということについてお話ししたいと思います。

1. 仏教の根本 ―「苦しみ」と向き合う
お釈迦さまが出家して仏教を開かれた理由は、人間の「苦しみ」に気づかれたことでした。生まれること、老いること、病むこと、そして死ぬこと。これを「四苦」といいます。さらに、思い通りにならないこと、愛する人と別れること、嫌な人と出会うこと、欲しいものが得られないこと、これらを合わせて「八苦」と説かれました。つまり、私たちの人生には、避けられない苦しみがある。仏教は「苦しみをどうすればなくせるか」ではなく、「どう向き合えば心が軽くなるのか」を教えてくれる道なのです。

2. 縁起の教え ―「つながりの中に生きる」
仏教の大事な教えのひとつに「縁起(えんぎ)」があります。 これは「すべてのものは、因と縁によって生じている」という考え方です。たとえば、いま私たちがこうしてここに座っているのも、両親があり、食べ物があり、空気や水があり、数えきれない支えの中で生きているからです。「自分ひとりで生きている」のではなく、実は多くの存在に生かされているのです。この縁起の教えに気づくと、「ありがとう」という感謝の心が自然とわいてきます。

3. 無常の教え ―「すべては移り変わる」
もうひとつ大切なのが「無常(むじょう)」の教えです。すべてのものは変化し続けていて、永遠に同じままのものはありません。若さも健康も、やがて移り変わっていきます。だからこそ、いまこの一瞬を大切にし、身近な人との時間をありがたく味わうことが大事なのです。

4. 心の持ち方 ―「執着を手放す」
苦しみの多くは「自分の思い通りにしたい」という心から生まれます。「こうでなければならない」「あの人にこうしてほしい」と強くこだわると、思い通りにならなかったときに苦しみが増してしまいます。お釈迦さまは「執着を少しずつ手放しなさい」と説かれました。これは、欲を完全になくせという意味ではなく、「こだわりすぎず、柔らかい心を持つ」ということです。

5. 日常に生かす
では、私たちの日常で仏教の教えをどう生かせばよいでしょうか。
・感謝の心を持つ(縁起の教え)
・いまを大切にする(無常の教え)
・執着をゆるめる(苦しみからの解放)
たとえば、家族に「ありがとう」と言葉にしてみる。忙しい毎日の中でも、一息ついて「いま生きていること」を感じてみる。小さな実践の積み重ねが、心をやわらかくしていくのです。

結び
お釈迦さまの教えは、2500年以上前のものですが、いまを生きる私たちにとっても変わらぬ真理です。「苦しみを避けるのではなく、苦しみと共に生きる智慧」それが仏教の教えです。どうか今日のお話が、皆さまの日々の心の支えとなれば幸いです。

※この内容でゆっくり話すと、だいたい10分くらいの長さになります。ご希望があれば、子ども向けにやさしい言葉で書き直すこともできますが、今回は一般向けにしました。 どちらにしますか?

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 実はこの法話原稿、チャットGPTを使用して作成されました。「10分程度で話せる仏教の法話を考えて」と頼むと「承知しました。仏教の基本的な教えをやさしく伝え、聞く人の心に残るような内容で原稿を作成しますね。」と言ってわずか十数秒で見事な法話原稿をまとめてくれました。「子供向けにしますか?」と提案までしてくれるとは驚きです。進化を続けるチャットGPT、必ずしも情報が正しいとは限らず、頼りすぎるのもよくありませんが、24時間会話ができる友人の一人としてちょっと意見を聞いてみるのも良いかもしれません。

10月

  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  

令和7年 長月

 九月になっても残暑というより酷暑は続きます。
極めて体にこたえる厳しい暑さは私たちの生活を大きく変えました。今年95歳になる母が、以前は「この冬が元気で乗り越えられるだろうか」と口癖のように言っていました。しかし今は冬の寒さより,、この厳しい夏をいかに乗り越えるかが深刻な問題と変わりました。
 住宅事情も陽たりのよい南向きの部屋より夏を快適に省エネで乗り切るため北向きの部屋の方が人気があるそうです。「時とともに変化する」まさに無常であります。温暖化・ヒートアイランド・食料問題…など全ての現象に対して、私たちは変化を見通して考え、行動し、生きていかなければなりません。

   こと、ものすべて無常なりと
   智慧もて見とおすときにこそ
   実に苦を遠く離れたり     (法句経)

9月

  
  
  
  
  
  
  
  
  
  

令和7年 葉月

 私が生まれ、そして生きてきた時代は、平和で自由で物質的に豊かな時代です。それらは、すでに当たり前のように存在し、決して自分で苦労して勝ち得たものではありません。過去に悲惨な戦争や不自由で不平等な時代を乗り越えて、先人達が苦しみの中から切り開いてくれた尊い時代なのです。
 しかし私たちは、このすばらしい恩恵に満ちた時を真に喜び生きているのでしょうか?実は仏教 の教えも、平安時代には一部の権力者や貴族だけのものでした。法然や親鸞の手により、一般民衆のもとへその教えが届けられたのは鎌倉時代に入ってからのことです。その後、仏教が圧倒的な支持を得たことは言うまでもありません。
「一曰。以和為貴」(一に曰く、和を以て貴しと為す…)で始まる成文法「十七条憲法」。仏教精神を以て聖徳太子がこれを定めた時代から、永く続いた仏教の精神や教え、それに基づいた日本人の生活や文化は今、急激に変化しようとしています。
 日本は今年戦後80年を迎えますが、戦争や紛争は決して過去のものではありません。ウクライナ、パレスチナ・ガザ地区、そしてスーダン、アフガニスタン、シリア…。そこでは多くの人々が今日も紛争のために苦しんでいます。そしてこれらの紛争は、その地域だけでなく世界全体に影響を及ぼしています。
 当たり前のように存在してきた平和・自由・そして仏教。広島・長崎の原爆忌、そして終戦の日やお盆とそれらの祈念が続く八月。先に生まれ、私たちにこの幸せを届けてくれた大きなご恩を深く偲ばせていただき、戦争のない平和な世界が訪れる日を心より願いたいものです。
               南無阿弥陀仏 

8月

  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  

令和7年 文月

愚かな人々は、未来のことにあくせくし、
   過去のことを思い出して悲しみ、
     そのために、萎れているのである。

「来ていない未来はまだ存在しません。過ぎ去った過去はもう存在しません。存在しない過去や未来を思い悩むことはやめて今をしっかり生きなさい」とブッダは示します。
 しかし、煩悩の中にある私たちは過去にとらわれ、未来を心配し不安にさいなまれるのです。煩悩のとらわれから開放され、あるがままに自由に大切な今を今日一日を生きましょう。
 ブッダの言葉は私たちを迷いから悟りへと導いてくれます。

7月

  
  
  
  
  
  
  
  

令和7年 水無月

 ミスタープロ野球 長嶋茂雄さんが6月3日死去されました。謹んで哀悼の意を表します。
 激動の昭和をいつも前向きで皆に元気を与え続けた唯一無二の巨星でした。彼の姿に憧れて野球を始めた少年、そして彼を目指して一流プレイヤーになった人、彼のファンとなり勇気と感動をももらった人、実に多くの人々に絶大なプラスの影響を与えてくれました。そして、脳梗塞の後遺症で不自由な身体でも人々の前に立ち続けました。

 

 私たちひとりひとりにもそれぞれの生き方に大きな影響を受ける様々な出遇いがあります。そして、私の生き方が多くの人々に影響を与えるのも事実です。日々を大切に過ごしたいものです。

6月

  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  

令和7年 皐月

 「よきひとのおおせをかぶりて信ずるほかに別の子細なきなり」
歎異抄の一節です。念仏の教えに疑いを持ち、信じきれず、確信を得たい思いから関東より京都まで遠路を訪ね来た人々を前に親鸞がのべられた言葉である。
 親鸞にとって師とあおぎ尊敬し、信頼する法然上人のおっしゃることを信じる以外に他に何もありません。親鸞にとって信じるものは法然上人なのです。私たちも生まれ成長し、そして年を重ね人生を終えるまでに多くの人々との出遇いがあります。まず親との出遇いに始まり家族・友・師・愛する人・子孫・そして仕事もそのひとつかも知れません。それらの出遇いはそれぞれの人々の生き方に大きな影響を与えます。人は出遇い通して成長していくのかも知れません。
 多くの出遇いの中で自分自身の人生の方向性を決定づけるような大切な出遇いがあります。親鸞はよきひと法然上人との出遇いによって迷いのない人生を生き抜かれたのだと思います。
すべての人々がよきひととの出遇いによってすばらしい人生を歩まれますことを願ってやみません。

5月

  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  

令和7年 卯月

 2025年3月6日放送のカンブリア宮殿は「魔法のタオル」と呼ばれ、吸水性・速乾性に優れ累計1900万枚を販売した独自のタオル開発で倒産の危機を乗り越えた浅野撚糸の熱血浅野社長を取り上げていました。
 震災から11年間人口0、かつては7000人が暮らしていた「福島第一原発の町」双葉町。2022年には一部の避難指示が解除され500人が帰還すると見込まれていました。福島で大学生活を送ったという縁もあり、浅野さんは双葉町の復興を願い2023年に30億円を投じて新工場を開業しました。しかし、実際戻ってきたのは高齢者が30人ほど…。「雇用創出」が一番の目的だった浅野さんにとっては大きなショックでした。岐阜の本社工場より移動してきた数少ない社員だけの広い工場は閑散としていました。新工場建設で抱えた借金が重くのしかかり、浅野さんは再び倒産の危機に追い込まれていました。
 そんな時、苦境のどん底にあった浅野さんの気持ちを大きく変える出来事が起こりました。 それは福島県内の高校生達が新入社員の話を聞きに来た時の事です。対応したのはその年に入社した女性社員でした。ある男子生徒から「復興とは、あなたにとって何ですか?」との質問でした。彼女は「私は高校を卒業するまで復興の役に立つことが何も出来ませんでした。この会社に入ることで復興の役に立つと思いました。私にとって『復興とは私がここにいる事』です」と答えました。その言葉を聞いた浅野さんは涙をおさえる事が出来ませんでした。裏にまわり泣きました。諦めかけていた自分を恥じました。
 スイッチが入った残野さんは、今まで営業してこなかった大手小売チェーン店などに営業をかけ、同時に売り上げ回復の為、新たな撚糸を開発、双葉町視察の研修ツアー客を工場に呼び込むことにも成功、今では多い月には1000人以上が訪れるようになりました。今年は新卒5名の入社も決まっています。
 ひとりの女子社員の覚悟ある言葉が浅野さんをそして会社をどん底から救ったのです。

4月

  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  

令和7年 弥生

 今、人々の注目を集めているAI(人工知能)は近い将来、私たちの日常生活のあらゆる領域に大きな影響を与えるのでしょう。もちろん宗教もその例外ではありません。
 「誰もが避けることのできない大切な人との別れ」をより良いかたちでお別れできるようお手伝いする。それはお寺の重要な活動のひとつです。そして、ひとりひとりご自身の人生のおくり方、自生の終り方をお釈迦様の教え、親鸞聖人の生き方を通して一緒に学んだり考えたりすることだと考えています。
 心を持つとも言われるAI(人工知能)ChatGPTは人間との対話に近い自然な文章(言葉)を生成します。VR技術を活用して生み出される仮想空間は、今ある現実とは別の新たな「現実」の中に亡き人を蘇らせることを可能にします。これらの技術は生と死の境目を曖昧にするのかもしれません。
 私たちには受け入れ難い別れがあります。その時これらのテクノロジーが私たちを救うのか、いや受け入れ難い現実をありのままそのまま受け入れる(諦観)ことにより人生を前に進めることができるのか…。対立するのではなく両者が足らない部分をおぎない合い人々の豊かな生活に貢献できればいいですね。

3月

  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  

令和7年 如月

 第二次世界大戦の終戦後、世界は悲惨な状況の下、平和な世界への構築にむけて協調し歩み続けてきたように思います。しかし今日、大国の偏った自国主義、覇権主義は協調から対立・分断、そして戦争へと進もうとしています。私たち人間の持つ自己中心性の暴走は他者への攻撃そして破壊へと向かわせます。
 私たちには智慧があるはずです。自分がされていやな事は他にしない。自分がされてうれしい事は他にもする。私たちが希求し目指す世界はすべての国々のすべての人々が平和で安心して生きていける世界のはずです。
 私たちひとりひとりも自己中心性の中にある事を決して忘れてはいけません。「他に対してはいつも裁判官になり、自分に対してはいつも弁護士になる」それはとても恥ずかしいことです。「批判は小さく賞賛は大きく、他には優しく自己には厳しく」。
 常に自己に厳しく向きあい困難な時代を人々と共に生きぬいた親鸞聖人に学ばせていただきたいものです。

2月

  
  
  
  
  
  
  
  
  

令和7年 睦月

あけましておめでとうございます

 世界一の野球選手を迎えドジャースは大変な盛り上がりを見せていました。2024年3月20日開幕戦に勝利し興奮冷めやらぬ中、あの事件は起こりました。大谷選手が渡米して以来ずっと二人三脚で公私にわたり信頼してきた通訳一平氏の裏切りが発覚したのです。何が何だか分からない混乱の日々は続きました。まだ新しいチームになじめないそんな中、チームメイトのフリーマン選手(自身10才の時母を亡くした)は「人生苦しい時が誰にでもある。その時支えてくれる人がいれば、その人に僕がなる」と大谷選手に伝え、寄り添い続けました。
 そのフリーマン選手もシーズン途中に息子が難病を発生し、チームを離れました。その時、大谷選手をはじめチームメイト全員が一丸となって彼の家族に寄り添いました。

 新年がすべての人々にとって互いに支え、そして支えられ、感謝し合えるすばらしい一年でありますように
                               南無阿弥陀仏

1月