2022年 6月

 信託銀行に勤めていたMさんは、仏教に興味があり通信教育でその教えを学んでいました。尊敬する方のすすめもあり得度し僧侶になりました。僧侶になると人生の相談を受ける機会が増えたそうです。信託銀行時代にも実に多くの人々から人生設計の相談をいただいたそうです。お客様のためになるだろうことを懸命に考え、信頼に応え、そして多くの「ありがとう」という言葉をいただきました。が、その関係性はあくまでビジネス上のものであり、その先は収益や契約につながるものでした。
 しかし、僧侶として受ける相談は様々な悩み事の相談で、そこにはビジネスライクなものは一切ありません。ただ話を聞くだけでいい場合や他の人には絶対言えないような話もあります。相談が終わると「ありがとう」とお礼の言葉をいただきます。その「ありがとう」は信託銀行時代のありがとうの響きとは違うそうです。それは心のそこからの「ありがとう」だと話されました。
 確かに僧侶は相談を受けることが多い。私自身もそうです。そういった場をもっと丁寧に、そして相手に寄り添いお話を聞かせていただかねばと大切なことに気付かされました。

紫陽花

  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  

2022年 5月

 4月29日・日本武道館 体重無差別で柔道日本一を競う全日本選手権で優勝したのは斉藤立さん20歳でした。2015年54歳で亡くなった斉藤仁さんの次男です。父親の仁さんは五輪2連覇を達成した誰もが知る偉大な柔道選手でした。立さんも父の姿を追い懸命に精進しました。
 なれない優勝インタビュー。熱戦冷めやらぬ中、荒い息づかいで彼は今日まで自分を支えてくれた母、兄、祖母、先生ら多くの人々への感謝を唯々述べました。壇上から降りた立さんは母としっかり抱き合いしばし涙しました。マイクが拾ったのは母の「ありがとう、ありがとう」の声だけでした。

こいのぼり

  
  
  
  
  
  
  

2022年 4月

 未だコロナウィルスへの恐怖や不安が治まらない中、ロシアのウクライナへの軍事侵攻で大切な命、そして生活が奪われていきます。どうすることもできずただただ無力感だけが残ります。世界規模の出来事に対し私たち一人一人は何をすることも関わることもできません。しかし、すべてを諦めるのではなく自分が生きている社会の中や自分の身の回りの中で何かできることが必ずあるはずです。それを見つけできることから始めることで、きっと平和で幸せで楽しい世界をそして未来を作り出していけると信じたいものです。
 正善寺においても5月21日・22日に岡山分院の多目的ホール竣工、納骨堂リニューアルに伴い見学会・説明会を行います。心和む素敵なミニコンサート(フルート・バイオリン・ピアノ)を行う予定です。新緑の五月晴れの中、皆様の明るい笑顔が集うことを楽しみにしています。

卯月桜

  
  
  
  
  
  
  
  
  
  

2022年 3月

 ウクライナの悲惨な戦禍の様子は東日本大震災の時に見た、町がそして大切な命がなすすべもなく奪われていく光景を彷彿とさせます。一刻も早く平和が訪れることをただただ願うばかりです。
 仏教は幸せを求めるというより苦しみを無くすことに視点を起きます。苦しみの原因は「無明」にあります。思い通りにならない、ああしたい、こうありたい…しかしかなえられない。生老病死・愛別離苦・怨憎会苦・求不得苦。すべては執着する心から生まれます。執着から離れることにより、苦しみから離れることができるのです。権力に、支配力に執着する愚かな行為により多くの尊い命や生活が破壊されていきます。世界中が悲しみの中にあります。
 私自身、今何もすることができず悔しい思いでいっぱいです。本当にすみません。正善寺としてできることを必ず考え行動します。

弥生ひな祭り

  
  
  
  
  
  
  
  
  
  

2022年 2月

 コロナもあっていろいろな面でうまくいっていない人が増えました。それは経済的や物理的なことはもちろんですが、精神的な落ち込みが大きく影響しているように思います。私たちは1日に6万回思考するそうです。通常その中の80%はネガティブな思考で、残りの20%がポジティブな思考だそうです。元気で明るく生きている人にその秘訣はと聞くと「余計なことは考えない」とか「身体をよく動かす」とか「よく眠る」とかネガティブな思考の時間を少なくするような回答が返ってきます。ある意味鈍感になることも大切なのかも知れません。
 『安心立命』という言葉があります。安心は仏教の語、立命は儒教の語です。安らかで穏やかな落ち着いた心であるがままそのままの生命を生きていきましょうという意味です。
 幸せとか不幸せとか安心とか不安とか…実は自分自身の心が決めているのかも知れません。こういうときだからこそポジティブに新しいことに挑戦してみてはどうでしょうか。オンラインセミナーで学んだり観葉植物を育てたり、子供にかえってプラモデルを作ったり。毎日をポジティブに楽しみましょう!

如月豆まき

  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  

2022年 1月

あけましておめでとうございます

 私たちひとりひとりには、それぞれの苦しみや悩みがあります。それは住む国、地域、環境、そして年齢、性別など様々な要素や条件によってすべてが異なります。COVID-19は全世界すべての人々に共通の恐怖と困難をもたらしました。
 2年間の戦いの末、ワクチン開発そして接種が進み、世界は集団免疫を獲得し安心して生活できる社会が戻りつつあると思われました。しかし、オミクロン株の拡大にともないその日は先延ばしになりました。いずれにしても、今後も変異株の出現に対応する日々がしばらく続くと思われます。
 この2年間、人と人が会うこと・集まることが制限され、精神的につらい日々を余儀なくされる方々が増え、つながることの大切さを心底教えられました。正善寺でも多くの人が集まる行事はすべて行えませんでした。
 新しい年を迎え、安全を確認しつつ行事も順次再開していきたいと思っています。正善寺ではハード面において新たな寺業が2件スタートします。そして、ソフト面においてもすべての門信徒とつながるため、また新たなご縁を広めるためデジタル化を進めていきます。
 本年もよろしくお願い申し上げます。

睦月鏡餅